土壁

2016年3月14日 (月)

浅草 まるごとにっぽん

今回は浅草に出来た新しい商業施設「まるごとにっぽん」での左官仕上げをご紹介します。

「まるごとにっぽん」とは

47都道府県の手間ひまかけた本物の逸品を紹介する新しいタイプの商業施設です。

食べ物、工芸品、などなど 日本のいろんな逸品が一度に見られる場所です。

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原田左官はここで、市松の櫛引仕上げ、土壁風仕上げをしました。

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市松の櫛引は横に引くだけのものに比べ納まりが大変になるため、

何倍も手間が掛かりますが、

それだけ職人の腕の見せ所でもあります。

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そして、土壁風の仕上げ

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ひび割れした肌・朽ちていく土壁を店舗内で表現するため

何度も打ち合わせをさせていただき、仕上げることが出来ました。

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その他、塗り版築仕上げを施工しています。

塗り版築仕上げについては次回のブログでお伝えします。

2015年10月15日 (木)

すき焼きの名店 江知勝 見学会

先日、湯島にあるすき焼きの名店「江知勝」さんの見学会に行ってきました。

新建築家技術者集団の主催の見学会で、

営業しながら半年にわたり耐震改修を行った工事の現地報告会でした。

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この建物、原田左官もお手伝いさせていただきました。

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お客様の要望が出来るだけ今の形のままで耐震補強をしたいということで、

補強を入れたり、壁を増やしたりしたところを仕上げさせていただきました。

(↓全て施工後の写真です。)

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あまりにもきれいに元通りになっているので、

どこをやったか分からないくらい、と言われるくらい

昔の建物がそのまま残っていました。

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建物には思いが詰まっている。

その思いを残したままのリフォーム。

素敵な現場でした。

そんな現場に関わることができて嬉しかったです。

2015年4月16日 (木)

エコハウス研究会 職人を護る

代表の原田です。

引き続きエコハウス研究会のお話です。

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現在、東京では本格的な土壁の仕事はかなり少ないのが現状です。

仕事を増やすことも重要ですが、土壁を塗れる職人を育てることも重要になっています。

私たちのような現場の仕事で技術を伝えていくにはどうすればよいか?

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それは繰り返しやるしかありません。

試行錯誤して繰り返し伝えていくしかありません。

基本の塗り方という点はモデリングという育成方法で技能を伝えています。

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その場でも土壁を使い、見習い工が土に触れる機会を与えています。

しかし、土壁の仕事はやらなければ覚えられません。

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そのため、当社では仲間の左官のところに行き、

土壁を塗る機会を作っています。

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技術は仕事を生むと言いますが、

技術を習得することで土壁の仕事も少しずつですが、当社でも増えています。

仕事が発生したときのことを思い、備えておく。

職人にとってそういうことも大事なことです。

2015年4月13日 (月)

エコハウス研究会 関東大会に参加しました。

代表の原田です。

3月22日に建築家の丸谷博男さんが主催されているエコハウス研究会の関東大会に参加しました。

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この会はエコハウスつくりの真の目的を理解し、それぞれの経験を活かし、地域にあったエコハウスを提案していく交流団体です。

今回はその中で、

「東京で土を仕事にする」

「若い人を育てて技術を護る」

というテーマでお話させていただきました。

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(主宰の丸谷先生と私)

原田左官では昔ながらの土壁の仕事は増えつつありますが、少ないのが現状です。

それは土壁について知っている人がいないからだと感じています。

施主さん・設計さん・デザイナーさんで土壁を扱ったことのある人は東京だと少ないと思います。

同じく、左官職人においても土壁を扱ったことのある人は東京だと少ないと感じます。

そのため、東京で土を仕事にするにはPRすることと職人を育てることの2つが両輪のように動かないとダメだと思っています。

土壁を取り入れるにはハードルが高いと感じている施主さん・設計さんには

「まず、土を漆喰に入れる、珪藻土に入れるなど素材として取り入れてみてはいかがですか?」

と提案しています。

既製品の左官材に味付けとして土を入れる分には故障は少なく、施工も難しくなることはありません。

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まずは土を身近な建材として感じていただくことが大事だと思っています。

土壁を塗れる職人育成については次回、お伝えします。

2014年1月16日 (木)

東京デザイン塾 土壁塗り体験

以前、私が左官の講義をさせていただいた東京デザイン塾さんが

課外授業として当社に左官体験にいらっしゃいました。

12名という大勢のご参加で左官体験をして頂きました。

内容は土壁塗りの体験と左官のお話です。

講師は私と当社の仕上げ部長 中島が務めました。

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まずは土壁塗りの実演。

鏝の持ち方、鏝返しの仕方をレクチャーします。

鏝の上に材料がのらないと始まりません。

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それが習得できたらいよいよ土壁を塗ります。

今回は中塗り土を体験していただきました。

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厚塗りなので、重く、思ったように鏝が動かないこともあり、

四苦八苦している方もいらっしゃいました。

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その後、左官のお話。

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色土の現物を見てもらいながら、お話をしました。

なかなか左官の仕上げの土を見るチャンスは少ないようで

皆さん凄く興味をもたれていました。

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いろんな色の土を眺めているだけでも、面白いんですよね。

そして竈炊きの実演もしました。

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炊き立てのご飯を皆さんに食べていただき、

左官の竈の良さも体感していただきました。

左官体験をご希望の方は数人集まれば、体験が可能です。

是非、お問い合わせ下さい。

問い合わせメールはこちら

また、仕事旅行社さんの左官体験プログラムもあります。

仕事旅行社HPへ

2013年2月 4日 (月)

和室、土壁の魅力

前回、お伝えした漆喰壁のお宅の和室についてです。

このお宅は、古い家の建て替えで作られました。
前のお住まいで使われていた材木や建具がとても素晴らしいものだったので、
当初の予定では、一度ばらして、古材を再利用する計画だったそうです。
しかし、あまりにも今までの和室が素晴らしかったため、
和室をそのままの形で移築したそうです。

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その方法は、
2Fにあった和室全体を壊さず丸々残して、クレーンでつって隣の敷地に一度仮置きし、
その後、新築の家の2F部分にまたクレーンで乗せて、移築したというすごい方法です。
クレーンで釣る際に重さを出来るだけ軽くするため、
土壁は剥がし、新築の家に設置されてから再度塗りなおすことになりました。


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そのため、古く価値のある銘木に新しい土壁を塗るという左官工事になりました。
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銘木に負けずに、また自己主張しすぎないように
この和室の雰囲気に合わせた壁を仕上げるよう努力しました。


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こんな風に左官として腕がふるえる現場が増えるといいなと思います。


最後に今回の現場の立役者の一人。
当社の安西さんです。
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安西さんは当社の仕上げ部門を長い間支えている職人さんです。
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安西さん!これからもよろしく。

2012年2月27日 (月)

篠山 土の小屋

久住さんを訪ねて、篠山に行ったところ、

篠山地域独特の灰屋(はんや)を見せていただきました。

これは化学肥料がなかった頃に、肥料に使う灰を作るため、焼き灰を作る小屋を土壁で作ったものです。

篠山の地域独特なもので、焼き灰、灰屋がないと丹波篠山の黒豆は栽培できないとのことでした。

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久住さんはいろいろな作り方の灰屋を案内していただきました。

大体が版築工法ではなく、土ブロックを作って積み上げる、

もっと原始的に土を盛り上げて壁を形成するなど

本当に丁寧に教えていただきました。

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当社の大橋君も感心して見入っています。

建物は小ぶりですが、存在感があるというか、味があります。

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「原田君のところなんか店舗のデザインで使えるんちゃう?」

そういっていただけました。

常に相手のことを考えている、そういう部分が久住さんの凄さなのだと思います。

版築とは違う、存在感のある土の塊。

店舗のデザインにいかがでしょうか?

2011年9月16日 (金)

和とイタリアン

結構前になりますが、

当社でイタリア料理のお店を施工しました。

今回はその紹介です。

イタリア料理ですが、
「土壁仕上げ」
「洗い出し」

など和風左官が満載のお店です。

文京区白山にある
「Il Pozzo Horii」さんです。

表は看板とともにヒビ割れ肌の土壁がお出迎えします。

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床は大磯の洗い出し。

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トイレも土壁仕上げ

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腰壁のタイルも当社の施工です。

お店で最も印象的なのは
土壁ラフ櫛引仕上げ

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この純和風仕上げが意外とお店の雰囲気にマッチしていて
ワイングラスや料理をバックにしてもピッタリはまっている感じがあります。

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いろいろなグルメサイトでも絶賛されているお店です。

ぐるなびのサイト

当社でも「勇気ある経営大賞」の受賞のお祝いのときに
みんなで食事をしました。

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とてもおいしかったです。
また行きたいなあ。

2011年6月13日 (月)

版築仕上げ その2

引き続き武蔵小金井の版築のお話です。

今回の現場は下がり壁と什器に対して版築壁を作るものです。

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什器においてはこのように逆台形になっており、非常に苦労しました。

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今回は一層の幅が細い版築となりました。

細い分工程が多くなり、また、色の数もそれだけあるため
材料作り、塗りの工程ともに非常に時間がかかるものでした。

仕上がりはいつも寡黙な当社の中島が
声を上げて喜ぶほど素晴らしい出来栄えになりました。

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天井から吊られている3段の壁も見事に仕上がりました。

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今もこちらの「メガネの竹松」さまに
メガネの脇役として佇んでいます。

デザインをしていただいたのは元請㈱C-skyさまです。

自信を持ってお勧めできる「塗り版築仕上げ」でした。

2010年11月 8日 (月)

関東の土

会社の隣の建物が解体され、更地になっています。
土を見るとやはり、黒土や赤土でした。
東京だと普段アスファルトに覆われていて目にすることが少ないですが、
本当の地球の肌は土なんだな、と改めて思いました。

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京都、大阪など関西地方は良い色土が豊富に取れるようなのですが、
東京はやはり関東ローム層の赤土でした。
上塗りには向いてませんが、粘りがあり、
ワラと寝かせれば、よい荒壁土になると思います。

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勝手に取ったら怒られますが。

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